ごっつおうさん(大河原町大谷)
総菜や弁当、定食を通して郷土料理を伝える「ごっつおうさん」。オーナーの小畑さんは「宮城県の食を伝える会」や「食材王国みやぎ伝え人」など、宮城の農業や食を守る活動を続けてきた。提供する料理に使うのは地元宮城県産の米や野菜、農産加工品にこだわり、PR活動や生産者との商品開発などにも注力。
料理教室などで地元住民に郷土の味を伝えることもあるという。料理を提供することは、そうした活動の一部。例えば白石温麺を使った「おくずかけ」は精進料理であることを大切にし、動物性の素材やネギ類は使わない。ダシはしいたけの戻し汁、具は豆腐や油揚げ、豆麩、季節の野菜など、10品目が椀に盛りつけられる。
「おくずかけにとろみがつけられているのは、法事など人が多く集まるときに冷めにくくするためなのだと思う」と小畑さん。郷土料理には暮らしに必要な工夫や、素材を美味しく味わう技術が詰まっていることがわかる。他県から嫁いだひとから「郷土料理を知りたい」と尋ねられることもあるという。新たな形で郷土料理の味が広がることを期待したい。