森の中のカフェ 生石庵 OISHI-AN(利府町森郷)
ダム湖畔にある山小屋風の建物。木造づくりの店内やテラスが心地よく、焙煎の香りが森の匂いと溶け合う。スタッフ手製の消しゴムはんこで描かれたコーヒーのバッケージや素朴な焼き菓子にも心惹かれる。1960年に設立された「森郷キャンプ場」内にある「生石庵」。2017年にオープンするも、2019年の台風で土砂災害に見舞われた。復旧工事を終え、営業直前にコロナ禍となった。
数々の困難からひとつの答えとしてたどり着いたのが、月数回のみ営業というスタイル。2019年にコロナ禍の対策として始めたオンラインショップやコーヒーの定期便は常連客との絆を深め、県外などとこれまでになかった新たなつながりも生まれました。営業再開後もそのつながりを大切にし、休業日には焙煎したてのオリジナルブレンドを全国各地に届けている。
店長の松田さんはカフェを始める以前から自家焙煎していたほどコーヒー好き。「コクと苦みがしっかりあり、それでも後味はすっきり」にこだわる。「野点珈琲」は特にアウトドアを意識し「焚火に合うように、スモーキーな香りがする野性的な味」を両立させた。「鮮度が命」というブレンドにファンは多い。貴重な営業日に計画を立てて訪れる客と「関係がより近くなった」という。自然と人とコーヒーが織りなす景色も楽しみたい。