紅白の石鹸
最近発見したのですが、わが家には「紅白の石鹸」あります。ボクにはとても新鮮に感じたので、みなさまにお伝えしようと思ったのですが、もしかして知らなかったのはボクだけだったというのでは恥ずかしいので、「紅白の石鹸」をネットで検索してみました。すると、色とりどりの花が目に飛び込んできました。"エ! これが石鹸"と驚くような鮮やかなもので、中でも真っ赤なバラはとても美しいものでした。もちろん白い色とのコントラストも素晴らしいので、何を知りたくて検索したのかも忘れて、しばし画面に見入ってしまいました。ふと我にかえり、これはいったい何なのか、そしていったいいくらするのかということに興味が向いてきました。よく見ると、この物体はお正月用の羽子板に花束を組み合わせたブーケだということがわかりました。ということは、決してこれを投げる(結婚式で)人はいないだろうなぁ~ などと超現実的なことを頭に浮かべながら、どのぐらい(価格)するのかと、これまた現実的な経済的価値で評価していました。すると案の定、安いものでも1万円、高いものになると数十万円というから二度びっくり。
さて、わが家の「紅白の石鹸」のことですが、これはあくまで本来の機能である、お風呂などで体を洗うときに使うものであるから、素材は同じでも全く別物であると思い直し、話しを進めることにします。わが家のバージョンは、作り方にかなりのコツが必要で、「紅白」と呼ぶにふさわしい出来栄えになるには、熟練の技と絶妙なタイミングが必要です。作り方は、まず、うまく作ろうとは決してしないこと、「紅」と「白」の二つの石鹸を同時に使い始めてはいけない。一方がかなり小さくなり、他方がまだ原形を留めている大きさの時に二つを合わせて、丁寧になじませるのです。やがて二つが密着し一体となったら、今度は大きい方を意識して使うように心がけます。そうするとやがて、ふたつが同じぐらいの大きさになり、あたかも「紅白の石鹸」のようになるというわけです。なぁんだ! そんなことか。そんなものなら、うちでもしょっちゅう作ってるよ! といわれそうですが、それは敢えて否定しません。でも、相当意識しなければ、裏表が対象になる「紅白の石鹸」はできないはずです。なぜなら、そんなばかばかしいことに挑戦する人は少ないと思うからです。
でもボクは思うのです。世の中に全く新しいものなどめったにないような気がするのです。上下や左右を反対にしてみたり、既存のモノに新しいものを付け加えてみたり、あるいは、いまあるものから一部分を取り除いてみたりなどすることで、シンクプルで使いやすくなったり、流線的なホルムが際立ったリ、と今までなかった新しいものと見間違えてしまうことってありますよね。オヤジに言わせれば新製品とはこうしたものだということです。わが家では、何十年間にわたり、「紅」と「白」の石鹸を張り合わせて使ってきましたが、「紅白の石鹸」に仕上がったことは記憶にありません。それは、ものを無駄にしないように、あるいは使いやすいようにという合理的な理由で「紅」と「白」を組み合わせていきたからに違いありません。物事すべからく、遊び心を加えることで新しい発見が生まれることがあるのではないでしょうか。DX(デジタルトランスフォーメーション)だって、既存のモノやコトをより便利にするためのツールですから、今あるものにITCの技術を加えることでより便利になるものだと考えればボクたちにもまだまだチャンスあるはずです。