ピリ辛ごぼうめかぶ
気仙沼市に工場を構える株式会社波座(ナグラ)物産。こだわりのいかの塩辛をメインに手掛けています。東日本大震災で被災し、翌年の11月に再建した際には新聞などで大きく報じられました。「函館に工場があったため、議論しました。そのときに気仙沼の人、気候、風土でしかつくれない味があることに気づかされて、今に至ります。」と専務取締役の朝田さんは振り返ります。その後、いかの高騰などもあり、食物繊維を豊富に含むめかぶに着目したとのこと。「現工場長の父である仙台の工場長が、めかぶを使った商品づくりの経験者だったことも幸いしました。三陸産のめかぶは、食感や風味、色が素晴らしい。
国産のごぼうやにんじんと合わせて、自社配合の醤油ベースのたれで味付けをし、ごはんなどにかけて食べる商品にしました。唐辛子が入っているので、ピリッとした刺激もあります」。「めかぶの美味しさはねばりにこそある」と朝田さん。工場長の大原さんとともに工場内を案内しながら、めかぶ本来のねばりを活かした商品づくりについて教えてくださいました。めかぶ生のまま冷凍したものを手早くしっかりボイル。そして、ねばりが落ちすぎないように手作業で、大量の水をかけて冷却しています。
一度に冷却するめかぶの重さは約7キロ。二人がかりでの作業です。冷却されためかぶは鮮やかな緑色をしていて、品質の高さがうかがえます。これを、幅約2ミリの細切りにした国産のごぼうとにんじんとともにゴマの入ったたれと混ぜ合わせること約5分。とろりとしたねばりがいかにもおいしそうな「ごぼうめかぶ」の完成です。おすすめの食べ方を伺うと、いろいろ試したけれど、納豆にたれのかわりにかける食べ方が「一番」と教えてくださいました。めかぶとごほうの豊かな風味が食欲を誘う一品を、みなさんも味わってみませんか。