中国版 「忠犬ハチ公」
中国湖北省武漢市の病院での出来事です。「可愛がってくれた飼い主にどうしても会いたい」という一心で、亡き飼い主を病院内で3ヵ月待ち続けたワンちゃんがいた。飼い主が病院に入院したのは今年2月。新型コロナウイルスが猛威を振るっていた中国湖北省武漢市の病院だった。『The Sun』『NDTV』より。新型コロナウイルスの発生源とされる武漢市で2月、高齢の男性が飼っていたオスのワンちゃんとともに武漢太康医院を訪れた。男性はウイルスに感染しておりそのまま入院したが、5日後に帰らぬ人となってしまいました。そして遺されたワンちゃんは大好きな飼い主が亡くなったことを知らぬまま、病院内で男性をひたすら待ち続けたということです。病院の清掃を担当するスタッフは「ワンちゃんを外に連れ出そうとしたが、その場を動こうとはしなかった」と当時を振り返っています。ワンちゃんは病院にやって来た患者やスタッフに餌を与えられ、ロビーで一日を過ごすようになった。こうして2ヵ月弱が過ぎた4月13日、病院の1階にある店の営業が始まると、店を切り盛りするウー・ツゥエイフェンさんがこのワンちゃんの存在に気づいた。
ウーさんはワンちゃんが病院にいる事情を知って心痛め、そのワンちゃんを"小宝"と名づけてしばしの間世話をすることにした。ウーさんは小宝について、このように語っている。「小宝が飼い主を待ち続けることを知って、忠誠心の強さに心を打たれたの。それで小宝を店の中に招き入れるようになったわ。すると小宝は毎朝、私が来るのを出迎え、夕方には私を見送ってくれるようになったのよ」。「病院のスタッフは小宝を病院から離れた場所に連れて行ったけど、またすぐに戻ってしまって。言葉を話すことはできないけど、小宝が飼い主を待っていることは痛いほどわかるの」。しかし、5月中旬になると、病院は一般の診療に来る人たちで混雑するようになり、院内にワンちゃんがいることを懸念する声や苦情が寄せられるようになり、病院は早急に対策を迫られ、看護師が「武漢市小動物保護協会」に連絡をとり、小宝を引き取ってもらうことになったのだ。こうして小宝は3ヵ月過ごした病院を離れ、獣医のもとで診察を受けると去勢手術も済ませた。その後の小宝だが、保護協会の責任者は24日の時点で「新しい飼い主を審査中」と明かしており、小宝が愛情いっぱいの家庭に引き取られるのも時間の問題だろう。
なお小宝と離ればなれになってしまったウーさんだが、次のように述べて小宝を送り出している。「小宝が決して病院を離れなかったことには、本当に胸を締め付けられたの。でも小宝が新しい飼い主に可愛がってもらえるよう、心から願っているわ!」。ちなみにこのニュースはSNSでシェアされて拡散し、「忠犬ハチ公のようだ」「犬は大切にしてくれた人を忘れないんだね」「これだから犬は大好きだよ」「新しい飼い主のもとで幸せになって欲しい」「これは悲しい話だ」「病院は飼い主の家族と連絡を取ることはできなかったのか?」「犬が感染する危険もあったのではと思うと、病院側の対応もどうかと思う」といった様々にコメントがあがったという。ボクがオヤジにこの話をしたら、しばらく黙って聞いていたが、ふと気がつくと、曇ったメガネをそっとティッシュで拭いていた。オヤジとお母ちゃんが、ボクが逝ってから決して犬を飼おうとしないのは、このような悲劇に耐えられないと思っているからです。特に、ワンちゃん犬好きのお母ちゃんがそう硬く決意していることを考えると、どうしてワンちゃんを飼わないの? などという愚問は冗談にも言えません。