tattoria S トラットリア エッセ
生ハムやサラミ類の品質や種類の多さで知られるイタリア。エッセのコースのサラダにも、本場イタリアの味が並ぶ。まず、有名なパルマ産の生ハム「ブロシェット」。その横には、ヴェネト州名産のニンニクを使った粗びきで大判の生サラミ「ソプレッサヴェネタ」。エミリア・ロマーニャ洲の州都ボローニャの伝統的なソーセージとして知られる「モルタデッラ」。どれも繊細な味わいを楽しむために、敢えて薄くスライスしてある。そして、抜群のリピート率を誇るのは「大正エビとからすみのスパゲッティ」。
日本にもボラの卵巣からつくられた高級食材「からすみ」があるが、ここで使われているのは、サルデーニャ島名産のからすみ「ボッタルガ」。こってりとして濃厚な味わいは、たしかにインパクトがあり、一度食べたら忘れられない。この選りすぐりの食材からなる贅沢な料理に合わせるのは、イタリアの自然派ワイン。天体が木にもたらす影響を考慮して栽培されているぶどうでつくられているそうだ。「私は、食材と同じ地域のワインとのマッチングがベストだと思っているので、イタリア産のワインだけ取り扱っています」と話すのは、オーナーシェフの守屋健さんだ。
イタリアのピエモンテ州出身のシェフに、強い影響を受けたという。イタリア料理に対する妥協のない姿勢は、師匠へのリスペクトの表現なのだろう。信用できるところから仕入れ、実際に試食して、材料の味に忠実に調理。魚介類は、店独自の方法で熟成スピードをコントロールして、ベストな状態のものを料理する。そのため、スパゲッティやリゾットなどのランチメニューも予約が必要だ。ランチコースはイタリア産のハム等が入ったサラダをはじめ、ディナーのニュアンスがうかがえる。希少な味わいを堪能するために、心して訪れることをおすすめする。