Fattoria AL FIORE(ファットリア アル フィオール)
「Fattoria」は農場、「AL FIORE」は花を意味するイタリア語。仙台市内で2015年までイタリア料理店『AL FIORE』を営み、石巻市などで開催された食・文化・音楽の総合芸術祭「Reborn・Art Festival 2017」でフードディレクターを務めた料理人の目黒浩敬さんが顧問を務めるワイナリーだ。ワインを中心とする食と農のコミュ二ティーづくりを目指し、過疎化が進む川崎町で目黒さんがブドウ栽培を始めたのは2015年。
1年目のワイン造りは秋保ワイナリーに、17年からは南陽市のグレープリパブリックに委託していたが、今年7月、廃校になった旧支倉小学校の体育館を改装し醸造所と貯蔵庫を開設。この秋、いよいよ本格的な自社醸造に乗り出す。現在のワインラインは15種。いずれもメルローなどワイン用はもちろん、デラウェアやスチューベン、ロザリオビアンコといった生食用も含め、その年収穫されたブドウだけを使用。添加物は加えず、果実そのままのような優しい飲み口に仕上げている。
現在は山形県高畠町や南陽市のブドウが主だが、今後町内の自園で目黒さんらが栽培したブドウも使っていく予定だ。「目指すのは誰もが飲んでおいしいワイン。気候などで少しずつ違う年ごとのブドウの個性を、表現していきたいです」と語るのは、代表の坂口礼奈さん。目黒さんの思いに共感し、横浜市から川崎町に移り住んだ。旧支倉小の校舎を活用した観光交流施設「イーレ!はせくら王国」が隣接していることから、観光客の立ち寄りも増えている。「今まで興味のなかった方にも『ワインってこんなに面白いんだ』と少しずつ知っていただける場になれば」と期待する。