タコ
夏至から11日目の7月2日は「半夏生」。昔から関西では、この日にタコを食べる習慣があります。田植えを終えた農家が「八本足が広がるように、稲の根もしっかり張りますように」「たくさんの吸盤のように、稲穂が実りますように」と祈り、捧げたことが始まりです。タコは多種類あり、その数は世界では200種以上、日本近海では60種類以上と考えられています。市場に流通しているのは、おもにマダコやミズダコを加工した、煮ダコや蒸ダコです。
三陸のミズダコは夏が旬で、生食ようとして売られている場合が多いようです。タコ類の中では最大で、大きいものでは40から50㎏になるそうです。身は水ぽいですが、その分柔らかく歯触りがよいのが特徴です。一方マダコは旨みが強く、歯応えがあります。今回はマダコを使ってみましたが、ミズダコでも美味しくいただけます。タコは低脂肪・低カロリー・高タンパクの食材で、「タウリン」が多く含まれていることでも知られています。
タウリンは、疲労回復や肝臓の強化、動脈硬化の予防、視力の回復、血中コレステロールの抑制、血圧の正常化などが期待できる成分です。タコ独特の甘みも、タウリンが生み出しています。また、ビタミンB2も豊富です。このビタミンは、脂質や糖質、タンパク質を分解してエネルギーに変える反応をサポートする役割を担っています。今日のレシピはタコの甘みを生かしつつ、ごま油で香ばしさを添えたカルパッチョです。ねぎは、軽く焼いて白髪ねぎにして乗せますと、お子さんでも食べやすくなります。食欲がないときでも、お箸が進む一皿です。