めかじきのねぎま汁
めかじきは冬に旬を迎えます。宮城県気仙沼での水揚げは、全国一位です。地元では昔から親しまれていて「みやぎ水産の日」の2月の魚にも選ばれています。特徴は、くせがない味わいと旨み。鮮度の良いものは刺身に、煮る、焼く、揚げるなどどんな料理にも向いている万能な魚です。骨がないのでお子様も安心して食べられます。今回のメニューは「めんじきのねぎま汁」です。ねぎま汁は、一般的には刺身用に販売されているマグロを用いますが、この季節においしくなるめかじきを使って、一味違った料理にしてみました。風邪の予防の効果が期待できる長ねぎも、たっぷり入っています。
汁の味付けは、小さなお子さんからご高齢の方にも喜んでいただけるよう、まろやかに仕上げました。お好みで、鷹の爪で辛みをつけたり、生姜を加えてみたりするのもお薦めです。体が温まります。めかじきは、体長4mを超え、特徴的な鋭く伸びた上あご(吻という)は船上で切り落されます。棲息可能な環境は幅広く、水面近くから水深800mまで、水温は5℃から27℃です。水温が低い環境でも生きていけるのは、脂質を多く蓄えているからです。さらに、脳と眼の近くに「ブレインヒーター」と呼ばれる組織があり、非常に発達しています。
ブレインヒーターを通った血液が送られることにより、脳と眼の温度は常に19から28℃に保たれます。それによって、冷たい深海でも餌を探し出すことができるのです。また、肉質がまぐろに似ていることや、高速で泳ぐ回遊魚であること、まぐろと同じ延縄漁業で漁獲されることなどから、「かじきまぐろ」と呼ばれることもあります。しかし、分類学的にはまぐろとは関係ありませんが、栄養素もたっぷり含まれています。主なものは、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きをするDHA、ナトリュウムの排出を促し、塩分過多になるのを防ぐカリウム、骨や歯にカルシウムを沈着させるのに必要なビタミンD(日照不足などで、不足しがちなビタミン)、そして、旨味成分のグルタミン酸は、運動時の疲労回復促進にも役立ちます。