そば処 萬之助 岩沼店(岩沼市小川)
のどかな田園地帯の一角、赤い屋根が目印。築140年というレトロな古民家で、ゆったりと魅惑のそば三昧にひたろう。山形で自家栽培した「でわかおり」種と「最上早生」種を独自にブレンドし、石臼で挽きぐるみにして使用。挽きたて、打ちたて、茹でたての、まさに三たてだ。二八の「いたそば」は、細打ち、普通打ち、太打ちの3通りの太さから選べ、小板・板・大板・二尺大板と、ボリュームも4通り用意されているからうれしい。
一日10食限定の「十割そば」も人気。定番の「天板」を細打ちでいただいた。表面の艶が美しくて香りが豊か、適度なコシもいい。つゆのコクと深みは、料理を吟味している証だろう。天ぷらは、口中でサクサクと舞うように美味しい。是非賞味したいのは、秋季限定「鴨芹そば」と、山形直送の「きのこそば」。セリと鴨の濃厚な旨味が溶け合う悦楽にひたり、一方では「もだし」「むきだけ」など、珍しいきのこの香りに酔いしれるはずだ。
郷愁あふれる店内。入ってすぐの土間空間にテーブル席があり、囲炉裏のある板敷き、奥座敷とつづく。懐かしい玩具などの駄菓子屋コーナーも楽しい。「老若男女、幅広い年代に癒しを感じていただける店を目指しています」と、店主の五十嵐勇一さん。「出身地の山形らしさを大事にしながらも、新しい感覚のメニュー創作にもチャレンジしています」とのこと。泉本店ともども、スタッフの心意気とやさしさが、常連客を増やす原動力だ。さあ、次はどの味を注文しようか。