病院の待合室での会話
オヤジの話によると、先日、病院に行ったとき、「あの人、最近姿が見ないけど、どこか悪いんじゃないの?」と話しているのを聞いたというのです。その時、オヤジは思わず吹き出しそうになったと言っていました。オヤジからその話を聞いたとき、特に変わった話ではないと思いましたが、よく考えて見るとおかしいですよね。何がおかしいかって、そこは病院ですから、「どこか具合が悪いから病院に通っているわけです」。それなのに、「あの人、「最近姿が見えないけど、どこか悪いんじゃないの?」とはブラックユーモアにしても、ちょっと頂けませんよね。でも、こうした話を聞いたのははじめてではないというのです。だいぶ前の話だが、と前置きしてオヤジが話し始めたのは「入院しているある知り合いの人の見舞いに病院を訪れたときの話だ。オヤジは、その知り合いの人に、どこが悪いんですか? 尋ねたところ、いやぁ~別にどこも悪くないんですよ! 船(漁船)が港に入ると、真っ先にここ(病院)に来るんです」と答えたそうです。:健康そうな顔をしているその人は、さらに続けて、ホテル替わりですよ!」といったという。
しばらく雑談をしていると、隣の部屋の住人(入院している同僚)と思しき人がやってきて、少し調子の悪い別の人の話になり、「あいつ、本当に悪いのならこの病院ではなく、別の病院に行けと言っているのになぁ~」と、言い出したという。その後、その病院の評判を聞いてみたところ、院長の奥さんは、入院患者を誘って毎晩のようにカラオケ三昧だということでした。そして、それからしばらくしてその病院はクローズしたということでした。その理由は、医療技術と関係あるのかどうかは明らかではないようですが、巷の噂では、似たような病院は他にもあるらしいとオヤジは言っています。オヤジが通院している病院は、自分にとって大事な病院だと常々言っているので、カラオケ好きの奥さんがいる病院と比べるのは失礼千万な話ですが、それでも、「あの人、最近姿が見ないけど、どこか悪いんじゃないの?」などという会話を耳にするくらいですから、人の評価というものは本当に怖いものですね。でも、オヤジはその時思ったそうです。会話の主たちはもとより、周りの老人の皆さんも大変元気そうなので、「病院は、毎日の健康をたしかめに来る所になっているのかもしれませんね」。
そう考えれば、「体調が悪いので、病院通いはちょっと一休みしょう」ということなのかもしれない。これは決して悪いことではないかもしれませんが、新型コロナ禍のような有事の際には、医療崩壊を招くという側面もあり、手放しでは喜べないようです。医療費の増大はわが家にとってばかりではなく、国にとっても頭の痛い問題であるだけに、なるべく抑えるのが望ましいわけですから、日々奮闘しているわけですが、山火事をバケツリレーで消そうとするようなもので、中々効果的な方法が見つかりません。でも、だからと言って何もしなければ、将来にツケを回すことになるのは確実なわけですから、個々人の健康管理は高齢化社会になればなるほど必要でしょう。もちろんそれに加えて、制度的なサポート体制の充実も不可欠ですよね。例えば、「今の健康診断をもっと充実したものにリフォームし、5年ごとに受診を義務づける」→「献身の結果を踏まえ努力目標を明示する」→「一定期間内に目標をクリアーした人には、健康保険料を割引する」→「医療費の縮小」→「健康寿命の伸長」→「労働力人口増加」というのはいかがなものでしょうか。