民話の里 ふるさと おとぎ苑 てうちそば処(村田町小泉)
そば粉に水を回してこね、のし、めん棒を操って丸から四角に延ばし、畳み...。無駄なく流れるような作業は、日本の武士道にも通じる"そば道"と言っていいだろう。細く切りそろえられた麺線の美しさも、うっとりするほどだ。「村田はそばの里。地元産のそばをPRするお手伝いをしようと、仲間たちと通っています」とは、宮城手打ちそば研究会の柏倉寛充代表。
今年6月に町内観光施設がリニューアルして以来、会のメンバーが交替でそば打ちを担当することになったという。全国のそば打ち愛好家で作る「(一社)全麺協」会員であり、そば打ち段位取得を目指し活動する同研究会。5段位の柏倉さんは一級指導員でもあるというから、手さばきが見事なはずだ。さっそく、挽きぐるみ粉を使った二八細打ちの「もりそば」を試食させていただく。器に映えるきれいな麺線は、イメージ通りの洗練された味わい。
江戸風の辛つゆは、本枯れ節と醤油、本みりん、ザラメを使用するそうで、そばの香りを最大限に引き立てる。温かい「花まきそば」は、三陸産の海苔の風味がたまらない一品。トッピングのわさびがピリッと効いている。他にも、日替わりそばメニューは多彩。期待が膨らむのは、村田町で新しく栽培されている「にじゆたか」の石臼引きが、この秋の新そばとしてデビューすることだ。ここは仙台から近く、自然もたっぷり。秋の散策がてら、新しい味をお楽しみください」。そば好きなら、行かない選択はない。