接触確認アプリの障害
わが家のオヤジは、臆病なのか慎重なのかはわからないが、とにかく新しいものには積極的に手を出さない。今話題の接触アプリについても、あまり先走らず少し様子を見るべきだと考えたのか、iphoneにこのアプリをインストールしていなかった。それでも、昨年の暮れ頃にはこのアプリを活用しようと思っていたが、なかなか手が出なかった。その矢先のアプリ障害発覚です。ただ、オヤジのiphoneのアプリはiosなので特に問題はなかったはずですが、cocoaへの信頼感ますます薄れた感じです。この新型コロナウィルス接触確アプリの売りは、「陽性登録を行ったアプリ利用者との1メートル以内15分以上の条件に該当する接触者があった場合に、それを検知して通知を行う」というものです。しかし、この機能が発揮されていないことが判明したという。現在はこの障害を解消すべく努力しているので、2月中旬には解消できる見込みであるとのことですが、Andoroid端末でこのアプリを利用した場合、1メートル以内15分以上の条件に該当する陽性者との接触があった利用者に対しては、条件に該当しない陽性者との接近についても通知してしまう、というプログラム上の問題があることも判明したのだという。
この接触確認アプリの障害は、昨年の9月28日のバージョンアップに伴って生じたものだそうですが、その際のテスト内容は、アプリの基盤となってい接触通知APIから出力される接触リスクに関する値を前提とした模擬的な検証を行ったものでした。しかし、陽性者と接触しているはずのこのアプリに通知が来なかった旨の報道を受け、従来の模擬的な検証に加えて実機を用いた動作検証を行ったところ、接触リスクに関する値がAndoroid端末については想定と異なる形で接触通知APIから出力され、その結果、接触が正しく通知されないこととなっていることが判明したものだと弁明しています。厚生労働省は、「この障害の判明を受け、アプリ開発・保守運用事業者に対し、品質管理の徹底を指示するとともに、厚生労働省としても正常に作動するかや不具合がないかを十分に検証した上でアプリの納品を受けられるように、専門家の増員を図る予定です。引き続き、国民の皆様に広く、安心して本アプリをご利用いただけるよう、利用者からのご意見等を踏まえ本アプリの機能・デザインの改善を行ってまいります。」と述べている。
なるほど、官僚らしいそつのない言葉遣いだが、これではまるで厚生労働省自体も被害者であり、悪いのは、アプリの開発者や保守運用業者だと言わんばかりのように聞こえる。このアプリを信用して、濃厚接触者としての指摘がないので、陽性でることに気がつかず、重篤な状態になってしまったり、あるいは、他人に感染させたりした可能性を考えると、実質的な最高責任者としての厚生労働省はその責任をもっと重く受け止めるべきではないでしょうか。人間は、誰でもついうっかりすることや失敗することはあります。ですから、他人の過ちを過剰に叱責するのは慎むべきだと思います。だがこれではあまりにも軽すぎます。まさか、「知らせがないのは無事な証拠」などと嘯いて、「ここは(cocoa)一つ」ほおかむりして通り過ぎようというのであれば許せません。なにせ、ダウンロード数2,491万件、陽性登録件数10,239件もあったというのですから、こうした前向きな人たちの心も傷つけたばかりか、今まさにアプリをインストールしようと思っている人の手も止めてしまったかもれないからです。