ニンナ・ナンナ
酒粕を使ったタルトを提供している洋菓子店が、富谷市上桜木にある。絵本に出てくるような、かわいらしい三角屋根が目印の「ニンナ・ナンナ」だ。1999年にシフォン&タルトの専門店として北仙台で創業したにニンナ・ナンナがこの地に移ってきたのは、2008年のこと。現在は国産バターを使ったタルトを中心に、ふわふわのシフォンケーキ、発酵バターを使用した焼き菓子、さらには地元産の果物を使ったドリンクなどを提供している。
常時15種類以上を用意しているタルトの中でもひときわ目を引くのが、純白の「白雪チーズタルト」だ。このタルトは、オーナーパティシエールである尾形美樹さんの「地元の素材を使ったお菓子を作りたい」との思いから生まれた。誕生のきっかけは、市内に有名酒造店があると聞いて内ケ崎酒造店を訪ねた尾形さんが、代表の内ケ崎研さんに酒粕を紹介されたこと。興味を抱いた尾形さんは試作を重ね、酒粕を合わせたベイクドチーズケーキの上にレアチーズケーキを乗せたタルトを完成させる。「白雪チーズタルト」だ。
「何種類かある酒粕の中で、最も相性が良かったのが『鳳陽 大吟醸粕』でした。お酒が苦手な方にも楽しんでいただけているようです」と尾形さん。使用する酒粕は、新酒の時期には香りのいい板粕、それ以外の時期は熟成された練り粕と、季節によって使い分けているという。「バレンタインの時期には、内ケ崎酒造店の日本酒を使った生チュコレートなどもご用意しています」とのこと。地元とのつながりを大切にする洋菓子店と、宮城県最古の酒蔵とのおいしいコラボレーションを楽しみたい。