ご迷惑をおかけしました
毎日暑い日が続いていると体のセンサーもおかしくなるのでしょうか? 暑いと口に出すのも嫌になるほど暑苦しい日のことです。お母ちゃんがオヤジにエアコンつけて! と死にそうな声で言いました。するとオヤジが何も言わず、リモコンのスイッチを押しました。お母ちゃんはエアコンの下に潜り込むように座り、しばし冷風を浴びていました。しばらくすると、このエアコン、温度は25度だけど暖房になっている、と呟いて冷房に切り替えました。いつもなら、こういうときには、まるで小学校の校長先生が生徒に教えるように、オヤジの間違いをただのですが、その日は珍しく、お父さん! 暖房をつけてしまったでしょうと穏やか言いました。こうしたでに出られては、オヤジも素直に謝るしかないので、ご免! 自分の部屋のリモコンと勘違いしてしまった、と自分の非を認めた。なるほどオヤジの部屋のエアコンは、茶の間のエアコンのリモコンはと左右が逆だったのです。いつもこうだといいのになぁとボクはふと思いました。ところで、なぜ、お母ちゃんの校長先生節が出なかったのか? そちらの方が気になります。
その訳が解りました。お母ちゃんが言うには、何だか今日のエアコンはなかなか冷えないと思い、リモコンをのぞいてみたら、確かに25度に設定してあった。だとすると、これは私の勘違いかな! と思い、しばらくそのまま温風を浴びていたというのです。つまり、リモコンの設定を間違えオヤジを叱責するより、しばらくの間、暖房を冷房と勘違いしている自分が滑稽だと思ったようです。それでオヤジをドジ呼ばわりする資格がないと思ったようです。でも、同じ25度なのに暖房と冷房でどうして違うのか? 不思議思い調べてみたら、先着の方が大勢いました。こうした間違いはどこの家庭でもあるみたいですね。ついでにこのメカニズムを調べてみたのですが、簡単に言えば、「冷房は冷風で部屋を冷やし、暖房は温風で部屋を暖める」ということのようです。つまり、冷房をつけたときは冷風しか出ませんので、設定温度が現在の室温より高い場合にのみ運転し、設定温度を室温が下回った場合は運転が止まる仕組みになっているということです。逆に暖房をつけるときは温風しか出ない。つまり、設定温度が現在の室温より低いときに限って運転し、設定温度が下回った場合は運転が止まります。
オヤジはそれでも納得しません。「おまかせ」などというもっともらしいボタンを設置しておきながら、25度という温度設定をしたのだから、設定を冷房に切り替えてください! くらいの警告アナウスがあってもよさそうなものだ! お前あまり賢くないな! とリモコンを怒鳴りつけていました。何で長年人間をやっているこの私が、昨日今日登場したお前に振り回されなければならないのか。言いたいことはまだあるぞ! 37度になると猛暑だと言って騒ぐが、「40度に設定したお風呂に入ると、熱くもなんともない。それはいったいどう説明するんだ。私は飲まないからまだいいが、熱いお湯につかった後の一杯を楽しみにしている人はがっかりしているだろう。一体だれが責任をとってくれるんだ」と八つ当たり。でも、風呂上りはエアコンにすり寄っていくところを見ると、やっぱりエアコンの世話にならないわけにはいかないね、とお母ちゃんにからかわれていた。するとオヤジ、うちわよりは幾らかましだからな! でも扇風機の爽快さにはかなわないだろうと言いながら満面の笑みで、台風のような強い風を一心に浴びていました。