申し訳ないやら嬉しいやら
お客様が途切れたので、少し遅い昼食を取ろうとしていたとき、一人の女性が店に入ってきました。お土産ですか!と声をかけたところ、小さく頷いて、その女性はまっすぐに当店のメイン商品である「笹竈」の陳列に向かい、すぐに注文してくださいました。当店のことや「笹竈」についてよく御存の様子にお見受けしましたが、気のせいか少し機嫌が悪そうにも見えました。
そこで、帰り際に、どこからおいでなさいました!と尋ねてみたところ、東京の練馬からきたということでした。そして、この辺に行ったときは、「ここの笹かまが美味しいから買ってきて」とお母様から頼まれたというのです。しかし、1年ぐらい前にもここに立ち寄ったのですが、店が閉まっていて買えなかったということでした。少し不機嫌に見えたのはこのせいだったのかも知れません。
当店は、お正月の7日間以外は無休なので、たぶん閉店後だったのでしょうが、それにしても申し訳ないことをしました。お詫びをしたのち、ホームページからFAXなどでも注文いただけますので、と案内しながらお見送りさせていただきました。当店の笹竈を美味しいといってくださったお母様とはどんな方だろうと想像しながら、申し訳ない気持ちと、新しいファンに出会えたという喜びが交錯して、とても複雑な思いでした。