嬉しさがこぼれる瞬間
先日のテレビで、仕事を終えた介助犬が、訓練前に10ヵ月過ごしたパビー・ファミリーのもとに帰るときの様子を取り上げていました。介助犬を育成するには時間がかかり、まず、介助犬に向いた性格の繁殖犬を確保することから始まり、繁殖犬ボランティアのもとで普段は生活するのだそうです。その後、パビー・ファミリーのもとで、人によく注意をはらうか、作業意欲、落ち着いているか、様々な場所や動物への順応性などが観察され、はじめて訓練に入るのだという。
訓練は、伏せ、待て、などの基本訓練はもちろん、ユーザーのニーズに合わせるマッチングなどに及ぶということです。特に重要なのは「共感力」でユーザーの思いを察する力を養うということですから、文字通りプロフェショナルになる訓練を受けるわけです。その後、合同訓練を受けて、認定試験に合格してから実務に就くのですが、その仕事ぶりたるや見事なものです。そのシーンを一緒に見ていたわが家のムサシもいつになく身を乗り出して、テレビの画面を食い入るように見ていました。
今回の話題は、一仕事終えてパビー・ファミリーのもとに帰ることになったワンちゃんの様子についてです。少し離れた場所で車から降ろされたワンちゃんは、昔10ヵ月暮らしたパビー・ファミリーの家に向かってまっしぐらに駆け出しました。ファミリーも到着を待ちきれずに迎えに出ていたので、お互いに再開を喜び合いました。その時のワンちゃんの様子は、仕事をやりきった充実感と懐かしさが全身にあふれ出ていました。私たちも思わず拍手をおくりました。そして、ムサシは誇らしげな表情を浮かべていました。