麦の穂(塩釜市佐浦町)
1987年(昭和62年)に創業した麦の穂の一番人気は「クリームパン」。ケーキ店出身の先代店主であるお父様が考案した、パンに合うオリジナルカスタードクリームのトロっとした口どけと甘みが特徴だ。「一口食べて、もう一口、そして三口目に一番美味しく感じるようにしています」と話すのは二代目の渡辺有哉さん。
お父様と共に、地域に寄り添う店として、毎日飽きずにお客様が通ってくれるようなパン作りを心掛けているそうだ。昭和にスタートしたこともあり、昔ながらの日本ベーカリーとしての趣を大切にしている。小麦などの素材は、あえて流行りのものを追わない。酵母は、香りが強すぎないものを選んでいるとのことだ。
形もレトロなものと思いきや、並んでいるのは可愛らしい印象のパン。鶏ひき肉ときんぴらごぼう、炒り卵がぎっしり詰まった「鶏ごぼうきんぴら」や豚の角煮がごろっと入った「豚の角煮」は、パンと総菜の味わいが見事にマッチしている。創業当時から変わらないメロンパンや独創的なレシピのフランスパンも好評だ。まさに新しい感覚と昔懐かしさが融合した、どの世代も親しみやすいパン屋てある。