明けましておめでとうございます
旧年中は、世界中にまん延しているコロナ禍にもかかわらず、当すゞき物産を応援していただいた皆様に心から御礼申し上げます。お陰様で何とか踏ん張ることができ、新しい年を迎えることができました。今年もなお、変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。さて、今年は当店にとりましても心機一転の年と心得、お客様により親しみやすい店にしたいと考えています。と言いますのも、先代店主から受け継いで法人化してから今年6月で20年目迎えることになったからです。思い起こせば、この間、岩手・宮城中部地震、東日本大震災と度重なる災禍に見舞われ、復旧作業に追い立てられて多くの月日をやり過ごし、さてこれからという時にこの新型コロナ禍。神様が私たちに与えた試練としても、あまりにも甚大で途方もないものでした。しかし、それにも関わらず、当店はお客様の押してくださる力を背中に感じながら、何とか走り続けてくることができました。そして、ふと振り向けば20年という歳月が過ぎて行こうとしていることに驚きを感じています。今改めて、"神様は乗り越えられない試練は与えないのでは"と、しみじみ感じています。
観光物産店の果たすべき役割は、お客様の旅を演出する芳香剤のようなもので、そう簡単に変わってはいけないものと、時代とともに変わらなければならないものが混在した存在ではないのか、と感じています。もちろん、お客様の感じ方もそれぞれであることは間違いありませんが、お互いに顔を見合わせ、旧交を確かめ合ったときの満面の笑顔は、束の間の落ち着きを肌で感じるスイートスポットそのもののような感じがします。それは、古いから価値があるとか、新しくなければ意味がないというように単純に割り切れるものではないような気がします。ただ商品を買っていただくだけなら、一昔前とは比べ物にならないくらい多様で便利な手段が増えました。私たちの店は、業種でいえば小売業以外の何物でもないのかもしれませんが、地域独特の風景や匂い、香り、人情などがほど良く融合した雰囲気を提供するのが役割だと感じています。今年は、この雰囲気づくりに焦点を合わせ、お客様にとってより居心地のよい店を目指していきたいと思います。ボクも看板犬として長年コンビを組んできた招き猫ともども、そり雰囲気づくりに挑戦します。
ところで、昨年の干支である牛さんの特徴は、「粘り強さと誠実」とされています。牛は古くから酪農や農業で人々を助けてきた生き物であり、大変な農作業も最後まで地道に手伝ってくれました。そのことから粘り強さや誠実が特徴とされるようになったということです。一方、今年の干支である虎さんは、毛皮から全身が夜空に輝く星と考えられた存在だそうです。「決断力と才知」の象徴としての意味もあり、縁起物としても親しまれています。どちらがどうという訳ではありませんが、とにかく、人間たちから見れば計り知れない力強さが感じられます。そこで、人々は古から動物たちにあやかり、自分の力に変えてきた歴史があります。それは何ともほほえましいことでもありますが、そのあとがいけません。牛さんは人間に食べられてしまいますし、虎さんはいつも人間には怖い存在として、あまり近づこうとはしません。でも、本当に怖いのは人間だ、と彼らは思っているかもしれません。虎さん達との社会的距離は一気に縮めることは難しいかもしれませんが、心の距離を縮める努力は惜しんではいけないような気がします。