横綱相撲とは?
最近、「横綱相撲」とはどういうものなのか?そして、「かちあげ」や「はりて」などという技は、横綱相撲にはふさわしくないのか?などといった議論が多くなっているようです。これらの議論には当然賛否両論があり、それぞれ、よって立つ根拠があります。まず、横綱相撲讃美論者は、「かちあげ」や「はりて」はもちろん、横綱が立ち合いで体をかわす、いわゆる変化相撲は、横綱らしくなくいといったところのようです。それに対して、これに異を唱える人たちの意見は、例え横綱といえども、勝ち星を挙げなければ成績にかかわるわけですから、特に禁じ手(反則)ではないのだから、横綱らしくないといって、これらの技を使わせないようにするというのは矛盾しているというものです。
そもそも「横綱相撲とはどんなものか」という定義はないに等しい。しかし、翻って考え見ると、「横綱相撲」というものはある。確かに、立ち合いの時点で真正面から対戦相手を受け止めてから、攻撃に転じて白星を勝ち取る。こうした場面をみると、テレビ桟敷からも「横綱相撲だ」という声が漏れる。一方、国技である相撲は、欧米型の格闘技と異なり、「小さい力士」と「大きい力士」を区別せず、同じ土俵で戦わせるというのが、最大の特徴である。そうだとすれば、対戦相手が大型力士である場合は、一般的には不利である力士は、変わり身の速さを武器にして戦うのも、大相撲の醍醐味の1つである。さすれば、横綱といえども、あらゆる技を駆使して戦うのは非難に値しないのかもしれない。
横綱相撲讃美論者は、もしも、「かちあげ」や「はりて」といった技を使うことが公正なルールであるとするならば、横綱に対して対戦者である下位力士もこうした技を使ってもいいことになる。これもルール上は違反ではないが、下位力士は、横綱に対して「はりて」をくらわすなどということはまずない。つまり、横綱に対して敬意を表しているわけである。現状では事実上、上位力士しかこうした技を繰り出せないのだから、不平等であり、横綱たるもの、こうした下位力士の心情を忖度し、アンフェアな闘い方を自ら戒める姿勢が示すのが「横綱相撲」であると主張する。正直、ボクは相撲のことはあまり詳しくないので、どちらの意見が正しいのかは解りませんが、ルールを改正すれば解決するという単純な問題ではないことは解ります。