気仙沼 大島
気仙沼湾に浮かぶ大島には、南町海岸の発着所からカーフェリーで、25分で到着します。東北では最大級の有人島である気仙沼大島は、のんびり歩くもよし、レンタサイクルでの潮風サイクリングもいい。島の南側にある駒形漁港では、わかめの漁の最盛期で、浜のお母さんたちがわかめを大きな水槽で湯通しています。大島といえば椿。狭い道を登っていくと、樹齢150年から400年というみごとな椿が神聖な森をつくり出しています。
磯崎の大椿は、樹齢400年で、幹回りはなんと273㎝と二人でやっと抱けるほどの太さです。滑らかな木肌に触れれば、深遠なるエネルギーが伝わってくるようです。そんなシンボルの椿を復興に活かそうという取り組みが、環境省「みどりの香るまちづくり」企画コンテストで入賞しました。椿の杜公園では、島の人々と関東や名古屋のボランティアのみなさんが一緒になって椿交流ガーデン作りを進めてきました。
中には、毎週末、まるでわが家に帰るように通っている人もいました。山を切り開いて生まれた椿やハーブが香るガーデンは、だれでもいつでも使える爽やかなオアシスです。自由にお弁当を広げたりできるテラスもあり、予約すれば、バーベキューも楽しめます。春なら、伊豆大島や全国から贈られた400種600本もの椿コレクションも観賞できる場所です。漁業と観光の島・大島は、観光への逸早い復興に心を注ぎ、小田の浜は、大震災の翌年には、県内で唯一海水浴場として再開しました。
目の前に浮かぶ小前見島・大前見島周辺は海中公園に指定されているほど透明度が高い海域であり、波穏やかなビーチは、平成18年の海水浴場百選で、2位だったそうです。平成24年も、震災前ほどとはいかないまでも、多くの人が海水浴に訪れました。また、シーカヤックでの海中散策も魅力の一つです。民宿や旅館もだいぶ再開し、田中浜に近い休暇村気仙沼大島では、養殖筏体験やキャンプなど、自然をたっぷり満喫できるプランが用意されています。