新品種「だて正夢」
米どころ宮城を代表する品種といえば「ササニシキ」や「ひとめぼれ」。さらに今年は新品種「だて正夢」がデビューし、いつも以上に楽しみの多い新米シリーズになっている。JR仙台駅に並ぶ数々の駅弁をはじめ、すしや牛タン焼き定食の麦飯、丼、ずんだ餅等々、宮城の名物を支えているのもおいしい米なのだ。宮城を訪れたら是非味わってほしい。新顔の「だて正夢」は甘くてもちもち。東北地方だけを見ても、山形県の「雪若丸」、福島県の「山里のつぶ」がこの秋デビューしたブランド米の戦国時代。宮城県からは「だて正夢」がデビューを果たし、米の天下取りに挑む。
仙台藩祖伊達政宗公を連想させる、宮城らしさにあふれる期待の新品種だ。だて正夢はご飯の粘りを決めるアミロースの割合が、普通のうるち米(ひとめぼれなど)ともち米のほぼ中間。一般的なうるち米よりもちもちに炊き上がり、冷たくてもおいしさが続く。ご飯はつやつやで、はっきりとした粒感。かむほどに米本来の甘みが、じゅわぁとあふれでる。存在感があり、肉料理との相性もいい。生産農家を限定して、栽培法をしっかり管理している。出荷段階で宮城県とJAグループなどで定めた品質基準を厳しくチェック。その中で合格した米だけが、だて正夢のロゴデザインを使用して出荷される。
デビュー初年度となる2018年産は作付面積が310haで、約1500tの出荷を予定している。宮城県では他にも様々な品種の米が栽培されている。作付面積が県内最多なのが「ひとめぼれ」。家庭でも飲食店でもポピュラーだ。誕生50年以上になる「ササニシキ」は宮城を代表する品種。今では希少価値が高いものの、香り、粘り、つや、食感のトータルバランスが良く、寿司職人から絶大な信頼を得ている。玄米食向け品種「金のしぶき」は胚芽が通常のうるち米の約3倍もあり栄養たっぷり。近年の健康ブームで注目されている。豊かな自然が育む宮城の米。多くの駅弁に使用されている他、県内のホテルや旅館、飲食店などで味わえる。最近は小分けタイプ精米も販売され、お土産にもお薦めだ。