女川町小乗浜 おかせい
女川港を向に見る小乗浜に「おかいせい」があります。母体はホタテを年間300tも全国に卸し、他の水産物も扱っている水産業の㈱岡清というだけに、生きのいい地元の魚介類をふんだんに使った特選女川丼は、思わず、「すごい!」と声を上げるほどの内容です。おかせいの場所は、以前は会社の水産加工場でしたが、津波で流され、残ったのはコンクリートの基礎だけだった。
震災後早々に、会社は新しい飲食店を始めることを決断し、残った基礎部分の上に店舗を建て、開店したのは2011年10月でした。メニューは新鮮な魚を生かした握りずしと丼もの。店長の岡芳彦さんは、特選女川丼の誕生の経緯を話します。「ある日、世話になっている地元の先輩がお客さんを連れてきて、旨いものといわれました。で、いまあるネタを全部丼にのせて、おもてなししようてことに。とても喜んでもらったので、定番メニューにしたんです」。
現在は、女川に揚がる魚を中心に日替わりで魚介が15種類前後、岩手県産「ひとめぼれ」と青森県産「まっしぐら」をブレンドした酢飯が相まって、鮮度、味、ボリュームともに満腹する一品となった。食べきれないという人には、量を抑えた女川丼もあります。食後には店内の鮮魚コーナーで魚を買って帰るもよし、おかせいの水産加工品をお土産にするもよし、楽しみの多い店です。岡さんは小さい時から女川の魚を食べて育ち、味覚も目利きも鍛えられてきたという。