人間は本当に寛大なのでしょうか?
いつ頃に誰が言ったか知らないが、日本には「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉があります。「八卦」とは易で占いのもとになる八種類の形のことを言うのだそうですが、現代では、「占い」という意味に使われているようです。そうすると、占いは当たることもあるし、当らないこともあることをみんなが認めているというニュアンスになります。そうだとすると、科学がこんなに発達した時代に、何故占いにこだわるのか不思議です。
ボクの相棒のオヤジなどは、吉と出た占いは信用し、凶と出た時は信用しないという、かなり強引な合理主義者なのでボクには到底理解できません。しかし、世の中にはそうした「変わった人」が普通の人なのかもしれないと思える節もあります。それにしても気になるのは、朝のテレビ番組での占いです。「今日もっともいい運勢の人は○○座の人です」とまずくる。該当する人は、密かに今日はいい日だと思うでしょうが、最後に、「今日もっとも悪い人は、ごめんなさい、△△座の人です」となる。
そしてさらに、「でも大丈夫、ロールキャベツがラッキーメニューです」などつづく。それなら、ごめんなさいなどという必要はないように思いませんか。そんな気遣いがあるのなら、パンをかじりながら駅に向かおうとしている人に向かって、「ロールキャベツがラッキーメニューです」などと、無理難題を投げかけるのは、かえって不安をあおることになりかねないので、やめるべきではないでしょうか。なにしろ、半分は当たるかもしれないと思っているわけですから。