旬彩酒房 一の木(青葉区国分町)
一の木の豚しゃぶは逸品だ。豚肉のよさをやさしい味のタレで味わってほしいと、カツオ出汁のタレを考案。そのタレに合う豚肉を何種類も試食してたどり着いたのがミヤギノポーク(宮城野豚)だったという。ミヤギノポークは宮城県北産。
海藻やヨモギなどを加えた飼料と徹底した衛生管理のもとに育てられており、肉質はきめが細かく光沢があって風味がよいという、何拍子も揃った美味しさだ。皿に花びらを重ねたように盛り付けられた薄切り肉は、赤身も脂身もきれいな色合い。アク取りになるニンニク片を入れた湯にしゃぶしゃぶと肉を通し、タレをつけて口に入れると肉本来の旨味がともに引き立つ味わいだ。
その他のおすすめはやはりとんかつ。前日に塩・コショウして熟成させた肉は柔らかく旨みが増し、生パン粉をまぶししてサクッとした食感に揚げている。ミニとんかつ茶漬けは梅干し、塩こぶ、ねぎを薬味にだし汁をかけて食べる。鮮度が大切なしゃぶしゃぶに相応しい地元産のミヤギノポーク、そして他の料理も、食料の特徴を引き出すために手間を惜しまない料理人の心意気が、際立つ美味しさに結実している。