とんかつえんどう(青葉区五橋)
フレンチ、スィーツの名店での修行を経て、独立の際に選んだのはとんかつ。その理由について尋ねると、「突然とんかつが降りてきたとしか言えないんです」と語る店主の遠藤さん。「自分一人で仕上げられることも利点」と言い、昼50食、夜30食を一人淡々と揚げ続けるその姿は"職人"というという言葉がしっくりくる。
東北のブランド豚「志波姫ポーク」と「岩中豚」を日替わりで使用。特注の朝挽き生パン粉をつけて純正ラードでざっくり香ばしく揚げたカツを、ザクザク切り分ける音が心地よい。肉の中心部はほんのりロゼ色だ。揚げたての食感を損なわず、ジューシーの旨みをストレートに味わうなら塩だろう。「塩竃の藻塩」「伊勢の旨塩」。
用意された3種の塩を試し、温度が下がってきたら醤油、ソースなど味を変化させて楽しむ。「ブランド豚も、塩で食べるとんかつも、今は珍しくない。それでもとんかつえんどうらしさを出したいと思い、一皿一皿に注力します」と、遠藤さん。カウンター上に手書きで掲げられたサイドメニューも見逃せない。お腹いっぱい食べるもよし、酒と合わせて楽しむもよし。職人技を心ゆくまで堪能したい。