CAFÉ SOYO(青葉区柏木)
すっきりとした空気の中に、砂鉄で作られた茶釜から立ちのぼる白い湯気が静かに揺れ動いている。茶道とアートが融合した、この店らしい光景だ。店主の遠藤俊文さんは、会社員だった二十代の時に茶道と出会い、お茶と純粋に向き合うことによって自分に率直になれることを発見。その奥深い世界に魅了されていったという。やがてカフェを開業。着実に歩みを進めてきた。東日本大震災後には、使われなくなった茶畑で栽培を始めることになった。
台湾指定の高級茶葉をつくる茶師と巡り会い、発酵茶の栽培と製茶の技術を学ぶことができた。現在は土壌から無農薬で栽培。茶摘みして、発酵、製茶まで手掛けている。その成果を堪能できるのが、白茶・青茶・紅茶。発酵の度合いを分けていくことで、色、香り、味わい、効能を変えている。特筆すべきは、苦みや濁りがほとんどないところだ。「香りや味の感じ方は人それぞれなので、是非一度飲んでいただきたいですね」と遠藤さんは話す。先代のデザイン会社とともに商品開発したリンクもある。
日本茶と果実を組み合わせてワインのように仕上げた「スパークリングティ」や「ティーワイン」だ。カフェでは、料理と合わせて「ティーペアリングコース」として提供している。他にもスパイスを独自にブレンドしてほうじ茶で煮込んだ「ソヨ・コーラ」や、米を乳酸発酵させた米ヨーグルト「ミキ」など、ここならではの味を発信してきた。スイーツは、良質な素材の味わいを活かした「そよ山」や、餡にホワイトチョコレートを合わせた素材を加えた「そよ玉」、ハーブ入り和三盆「そよ板」などがあり、盛り合わせでも楽しめる。