権現茶屋(大和町吉田)
国道457号から県道147号線に入り、船形山方向へ向かうと右手に見えてくる「権現茶屋」。店の前には水車があり、縄のれんをくぐると自在鉤のかかった囲炉裏がある土間、その奥には風通しよく見晴らしもい座敷が迎えてくれる。「もともとは船形山の麓でそば処を始めたんですが、王城寺原に米軍が来ることになり、部落ごとこの大和町に移ってきました」と話すのは、早坂富士夫さん。
店を開いてもう45年から46年になるそうだ。船形山は山形との県境にある山で、権現神社がよく知られており、店名はそれに由来する。今も毎日船形山に通い、山菜やきのこを採り、イワナの養殖、炭焼きと山仕事をしている早坂さん。それらを食材に奥さんが調理して出すきのこそばは、10種類のきのこが入っていた。
「きのこは塩漬けして冷凍していたものや、その日に採れたもので、毎日違います」と話すのは奥さん。いろいろなきのこから出汁が出るだけでなく、基本の出汁はトンビマイタケを乾燥させたものでとっているため、自然の甘さもあって味わいが濃い。また原木で養殖しているというシイタケの「シイタケ焼きも大きく肉厚でおいしい。