わかめと油麩の卵とじ
わかめは11月頃に発芽して翌年の5月から6月に成熟しますが、若いほど柔らかく味が良いため、旬は春。この季節だけ、生わかめが食べられます。年中流通しているのは、塩蔵わかめや乾燥わかめです。市場に出ているわかめは、ほとんどが養殖もの。三陸では、日本のわかめ全体の約7割を生産しています。宮城県産は葉が柔らかく甘みがあり、岩手県産は肉厚で歯応えが良いのが特徴です。また、根本部分の「めかぶ」は、食物繊維のアルギン酸とフコイダンを豊富に含むため、その健康効果が注目されています。
ボイルわかめを選ぶときは、黒っぽい緑色で、ツヤが良く、厚みと弾力があるものにしましょう。溶けているものは避けます。生わかめの場合は、わかめをボウルに入れてよく水洗いし、水気を切ります。次に沸騰したお湯に茎の部分を入れ、20秒経ったら葉を入れて、さっと湯通しします。鮮やかな緑色になったらすぐに冷水に取り、再度水洗いして、水気を切ります。塩蔵わかめの場合は、3倍程度に膨らむことを考慮して、使う分だけカットします。次に2ないし3回水を替えながら、真水で5分ほど戻します。
水に長く漬けすぎると食感がなくなるので注意してください。わかめの栄養素は、髪や皮膚の健康を保つヨウ素や、骨や歯を強くするカルシウム、血圧の上昇を抑制するカリウムなど。βカロテンは、胎内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の細胞を正常に保ちます。脂溶性ビタミンなどで、油と一緒にとると吸収されやすくなります。今回のレシピは、地元の食材である仙台麩を使ってみました。見た目も春らしく、ふんわりと美味しい一皿です。
《材料4人分》
・ボイルわかめ:100g、・仙台麩(油麩):1本、・長ねぎ:1本、・卵:2ないし3個
《煮汁》
出し汁:350ml、砂糖:大さじ1、みりん:大さじ2、・醤油:大さじ3
《作り方》
1.長ねぎは薄切りにする。仙台麩は2㎝くらいの長さに切る。ボイルわかめは軽く水洗いして食べやすい大きさに切る。
2.フライパンに煮汁の材料を入れて沸騰させ、長ねぎを入れて少し煮立てる。
3.わかめ、仙台麩を入れて、煮汁を煮含める。
1.溶き卵を入れて、蓋をして卵をふっくらと仕上げる。器に盛って完成です。