お手柄! マメ君
飼い主と散歩中に異変に気付いた秋田犬のマメ君(12歳:オス)が、異変に気づき90歳の女性が保護されたという、ニュースに心が温まりました。人助けをしたマメ君。3月23日、いつものように飼い主(竹内さん)と近くを散歩していました。しかし、その日はいつもと違うことがあったのです。夜中だったこともあり、車の通りもなく、時刻も午前1時ごろだったので、辺りが真っ暗闇でした。散歩していた秋田犬のマメ君は道路を挟んで向こう側にある異変を感じ飼い主に知らせました。マメ君について行ってみた飼い主は、パジャマ姿でうずくまっている女性を見つけました。その女性は90代のようでしたが、名前も住所も話せなかった。その時の気温は1度ぐらいだったので、飼い主は近くのコンビニに駆け込み、急いで警察に連絡。女性は無事に保護され、家族のもとに帰ることができました。お手柄のマメ君ですが、そんなことはどこ吹く風とばかりに、いつものように過ごしているということです。秋田犬保存会の会員・齋藤洋子さんは、人助けを知って納得の様子でした。優しく穏やかという秋田犬らしさをみごとに発揮したというわけです。
大活躍のマメ君ですが、実は彼は捨て犬で保健所に連れていかれる寸前に、今の飼い主に出会ったのだそうです。今ではベッドに横になって眠り、雷が鳴ると怖がる甘えん坊だとか。マメ君は4月1日に飼い主と共に警察(仙北署)から表彰されるという。警察犬以外の犬で表彰されるのは、ここ2、3年なかったということです。取材班の皆さんは、不審集団と思われたらしいということですが、それにめげず、ぜひ、マメ君の晴れ姿もぜひお茶の間に届けてください。年齢もボクの晩年と同じくらい、雷が嫌い、ベッドで眠る、とくれば、他人とは思えません。ボクは人間を助けたことはありませんが、小鳥を助けたことがあります。その時の気持ちを思い出してみると、やっぱり今のマメ君と同じ気持ちでした。ボクたちはみんな、手柄を上げるとか、お名を売るなどという気持ちは全くなく、ただ、人間の役に立つことが嬉しいだけなのですよね。だから、表彰されるというマメ君も、少し恥ずかしいかもしれませんが、ここはひとつ胸を張って、その勇姿をボクたちに見せてください。
マメ君がそうであるように、ワンちゃんたちは表彰を受けたり、ヒーローになったりすることが目的で社会の役に立っているわけではありません。飼い主であるご主人に「よくやった!」と褒められることがとても嬉しく、それが生きがいになっているのだと思います。かく言うボクも、何よりも嬉しかったことは、オヤジの役に立ち、褒めてもらった時でした。それは今でも変わりません。人間もその点は同じだと思うのですが、少し違うところがあります。それは、褒められることを「名誉」や「虚栄」に結びつけ、最終的にはそれによって得られる「損得」の大きさで、喜びの大きさが左右されることです。もちろんそうした人ばかりではないこともよく承知していますが、ワンちゃんたちには、すべてマメ君と同じです。先日も、警察犬として活躍できる能力が乏しいと思われていた、ワンちゃん(ダルメシアン)が、飼い主の深い愛情によって、匂いを嗅ぎつけるという優れた機能が見いだされ、今後の活躍が期待される、というニュースがテレビで流れていましたが、やはり、勝ち誇った様子などはみじんもなく、飼い主に評価されたことが嬉しくてたまらない様子でした。