チョロン(ベトナム料理)
数あるエスニック料理の中でも、ベトナム料理はどこかエレガントな香りがします。代表的な生春巻きは、透明なスライスペーパーに包まれたエビや生野菜が、色鮮やかです。ベトナムのお好み焼きパインセオも、カラフルで美しい。タイ料理に似ているが、辛さも甘さもソフトです。ベトナム料理は、植民地時代のフランスの影響が強いと聞くと頷けます。バインセオは、米粉とココナッツミルクの生地を薄く焼いた上に、豚肉、もやし、エビをたっぷりとのせ、二つ折りにしたベトナムの定番料理です。
焼きあがったものに、香草で風味をつけた魚醤ベースのヌクチャムをつけて食べるのですが、普通ベトナムでは香草の中にドクダミも入っているそうです。5年前に調理師学校を卒業した若い店長、菅原奈央さんは「香辛料も調味料も、珍しいものが多くて楽しいですよ」と、さわやかな笑顔を見せます。そんな奈央店長のおすすめはゴイセン。はすの花のサラダで、セロリに近い食感で楽しい。海外の料理を味わう喜びは、まったく知らなかった食材に出会えることにもあります。
天井のシーリングファン、ヤシの葉、竹製の椅子...店内にはアジアンドリームがたっぷり。そしてリゾートにはビールとばかりに、チョロンにはアジアのビールを始め、世界のビールがそろっています。オーナーが1年かけて、ベトナム、タイ、インドネシアを旅行し、そして2年後にオープンさせたというこの店も19年目になるという。厨房では若き料理人細矢皓太さんと奈央店長が、美味しくエレガントな料理を提供するため、今日も腕を振るっています。