時間節約型シッピングかも
電通のシニアプロジェクトの調査結果分析によると、高齢化社会に突入した日本の消費者行動は、次のグループに分類できるという。具体的には、①買い物アクティブシニア(新商品への興味が高く生活を楽しむためにお金を使う。流行のものを買いがち)、②買い物コンサバシニア(保守的、控え目、伝統的){品質優先で自分の気に入ったものを買う。まとめ買いはしない。半数以上が買い物に毎日行く}、③無駄嫌いシニア(買い物は楽しいが無駄なものは買わない)、④まとめ買いシニア(全員がまとめ買いをし、必需品は買い置き)、⑤安値優先シニア(とにかく価格第一で商品を選ぶ。どんなものでも価格を比較して安い店で買う)、⑥買い物面倒シニア(買い物は面倒で楽しいとは思っていない)、の6つです。また、これらのグループ間の平均年齢には殆どさがないし、気持ちの上での年齢も、実年齢より10歳ほど若いが、さすがに体力年齢は、実年齢と体力年齢の中間ぐらいであるようです。この分析結果を見て、「私はこのタイプです」と即座に答える人は少ないのではないでしょうか? もちろん、統計分析は「どちらかというと」という尺度でポジョニングを行っているので、そう感じるのは当然のことかもしれません。
それはさておき、わが家のお母ちゃんとオヤジはどのグループに近いのでしょうか? ボクの見たてでは、お母ちゃんは②買い物コンサバシニアと④まとめ買いシニアの間で、オヤジは、ほぼ間違いなく、⑥買い物面倒シニアだと思います。もちろん、この分類は、人生観や性格をすべて表しているわけではなのでしょうが、それにしても、こうして分類してみるとお母ちゃんとオヤジでは、ちょっとポジションが離れすぎているような気がします。事実、お母ちゃんとオヤジが一緒に買い物に行くと、お母ちゃんはじっくりと品定めをし、お値打ち生活必需品を見つけると、目当ての買い物を後回しにしてもまとめて買いこむという行動に出ます。オヤジにはお母ちゃんのこうした行動は理解できないらしく、いい加減に帰ろうと言い出します。つまり買い物行動での二人の関係は水と油のようなものなのでしょう。なにしろ、オヤジにとっては、目当てのモノを買うためにだけ店があるのだと信じ込んでいるため、ついで買いなどというものはほとんどしない。それが解っていながら、どうして一緒に買い物するのでしょうか。そこが解りませんでした。
ところが、この分析結果からその理由が少しわかってきたのです。それは、「まとめ買い」と「買い物は面倒で楽しいとは思わない」という因子は、意外と近いのだと気がついたからです。つまり、「②買い物コンサバシニア」と「④まとめ買いシニア」は対極にあるが、「④まとめ買いシニア」と「⑥買い物面倒シニア」は共通している(似ているところ)が多いということがわかったからです。言い換えれば、お母ちゃんは典型的な「買い物コンサバシニア」でなく、自分の気に入ったものを買うという気質である一方、まとめ買いもするという二刀流だったのです。そのため、いつもお母ちゃんの買い物スタイルに文句を言うオヤジの態度をあまり気にもせず、マイペースで買い物をすることができるのではないかというのがボクの分析です。まぁ~ ボクたち動物でも、すべてについて波長が合うわけではなくても、何とか折り合いをつけて楽しく付き合うということはあり得るので、たぶんお母ちゃんとオヤジもその類かもしれませんね。ということは相手の欠点(嫌いなところ)にばかり気を取られていないで、いいところを見つけようとするのが賢い生き方かもしれません。