BeauBourg ボ―ヴル
フレンチレストラン「ボーヴル:多賀城市下馬」は、L字型カウンターに8席のみ。厨房は、客席から全体が見渡せるほどにオープンな状態だ。料理を作るのは、オーナーシェフの高橋秀一さん一人だけ。それでも茹で置きや焼き置きはしない。窓側にあるコンロの上では、直径約18㎝の小ぶりなフライパンが、ジューと音を立て、湯気をあげていた。そう、このライブ感がボーヴルの大きな魅力なのだ。
食材は、もちろん新鮮。塩竃の市場まで直接仕入れに行く。野菜も地元の多賀城近辺のものが中心だそうだ。さらに、キッシュやパテはもちろん、ハムも自家製。調理台には、一目で焼き立てとわかる香ばしさいっぱいのパンがならんでいた。フレンチといえば、ソース。フランスの首都パリは内陸にあるため、中世や近世は新鮮な食材の入手が難しかった。そのため、調理技術、とりわけソースが発達した。
高橋さんは、仙台の老舗のレストランで10年修業した経験がある。つまり、ボーヴルでは、新鮮な食材を、調理したての状態で、フレンチの本格ソースでいただけるのだ。その魅力を満喫できるのが、「前菜盛り合わせとおまかせメインディッシュ」。5~6種類の料理が盛り合わせられた前菜と、魚または肉のメインデッシュ、自家製の3種類のパンが付く。美味しさもさることながら、コストパフォーマンスも素晴らしい。店を出てからも、心地よい余韻が続くはずだ。